最萌トーナメント3回戦も、いよいよ後半戦に突入。 会場のボルテージも高まる中、今日、戦いのステージに上がるのは。 紅魔館の門番にして気功の使い手、紅美鈴。 白玉楼の半人半霊の剣士兼庭師、魂魄妖夢。 幻想郷きっての武術家どうしの対戦である。 「……この場であなたと戦える事、嬉しく思うわ、妖夢さん」 「……私もよ、美鈴さん」 「弾幕を主戦力とするこの幻想郷にあって、 私もあなたも近接戦闘を得意とする者。 そして、私もあなたも、言わば主を守る、盾。 ……あなたのこと、正直他人とは思えなくってね」 「実を言うと、あなたとは一度やってみたいと思っていた。 あなたのその、気を操る力。 私の剣の道においても、すごく得るものがありそうだったから」 「私にとっても、あなたみたいに鍛えられた相手と戦うのはいい修練になるわ。 幻想郷じゃみんな、型破りな我流の格闘術ばっかりだからね」 「……確かに、そうかもしれないなぁ。 まぁ、それはそれで戦ってて色々新鮮なんだけど」 「まぁ、ね」 互いに、苦笑を浮かべる。 「さて、前置きはこのくらいにして……始めましょうか」 そう言って美鈴が構えに入る。 次の瞬間、美鈴の周囲を闘気の嵐が駆け巡った。 「我が主が、そして紅魔館が、あなたの主から受けた屈辱。 ここであなたを倒して、少しでもそそがせてもらうわ」 「なんの。幽々子様とこの舞台で再び相見える、その時まで。 私も、負けるわけには、いかない」 負けじと妖夢も、闘気を解き放つ。 2つの強大な闘気が、ステージの上を吹き荒れていく。 「その心意気、上等。では、」 「我がため、主がため、いざ、」 「「参らん!!」」 最萌トーナメント3回戦、第5試合―――決闘、開始。 |