【第2回東方最萌 3回戦 紅 美鈴 vs 魂魄 妖夢】
(初出:第2回東方最萌板「第2回東方最萌トーナメント 42本目」101)

 最萌トーナメント3回戦も、いよいよ後半戦に突入。
会場のボルテージも高まる中、今日、戦いのステージに上がるのは。
紅魔館の門番にして気功の使い手、紅美鈴。
白玉楼の半人半霊の剣士兼庭師、魂魄妖夢。
幻想郷きっての武術家どうしの対戦である。

「……この場であなたと戦える事、嬉しく思うわ、妖夢さん」
「……私もよ、美鈴さん」
「弾幕を主戦力とするこの幻想郷にあって、
 私もあなたも近接戦闘を得意とする者。
 そして、私もあなたも、言わば主を守る、盾。
 ……あなたのこと、正直他人とは思えなくってね」
「実を言うと、あなたとは一度やってみたいと思っていた。
 あなたのその、気を操る力。
 私の剣の道においても、すごく得るものがありそうだったから」
「私にとっても、あなたみたいに鍛えられた相手と戦うのはいい修練になるわ。
 幻想郷じゃみんな、型破りな我流の格闘術ばっかりだからね」
「……確かに、そうかもしれないなぁ。
 まぁ、それはそれで戦ってて色々新鮮なんだけど」
「まぁ、ね」
互いに、苦笑を浮かべる。

「さて、前置きはこのくらいにして……始めましょうか」
そう言って美鈴が構えに入る。
次の瞬間、美鈴の周囲を闘気の嵐が駆け巡った。
「我が主が、そして紅魔館が、あなたの主から受けた屈辱。
 ここであなたを倒して、少しでもそそがせてもらうわ」
「なんの。幽々子様とこの舞台で再び相見える、その時まで。
 私も、負けるわけには、いかない」
負けじと妖夢も、闘気を解き放つ。
2つの強大な闘気が、ステージの上を吹き荒れていく。
「その心意気、上等。では、」
「我がため、主がため、いざ、」

「「参らん!!」」

 最萌トーナメント3回戦、第5試合―――決闘、開始。